お客様が持って来た ペットボトルに入った海水
というわけで

まずは 海水の塩分濃度 つまり 比重を測ってみる。
これは、 ↓写真↓ 、塩分濃度屈折計 という商品で、比重計ではない。
だけど、飼育海水の 比重を測るものだ。

皆さんが良く使う比重計は 下記の写真のような物。水槽も水を汲み入れて 針が指す値を読み取る。
いわゆる 比重を測る物。 飼育海水の塩分濃度が 濃いのか 薄いのか ということだけれども・・・
その前に・・・・・・比重とは何か?

字のごとく 比べる重さ。
比重とは 何かを基準とし それと比べて この物質が どれくらい軽いのか どれくらい重いのか を 示している値である。
では 何を基準にしおているのだろうか?
その答えは、水。 水と海水の重さを 比べているのである。
ご存じのように(ご存知でしたか?) 水より 海水の方が重い。
水、 1cc (1cm×1cm×1cmの立方体)の水の重さは1g である。
であるのに対し (比重1.025濃度の)海水1ccの重さは 1.025gなのである。
比重1.022濃度の海水の1cc の重さは 1.022gなのである。
比重とは、 水を1とし その対象となるものが、どれだけ重たいのか 軽いのかを示す値である。
例えば、 灯油の比重は 平均0.8ぐらい。 という事は 灯油1cc は0.8g だから 水より軽い。
だから、油は 水面に浮くよね。
ポリタンクに 20リットル入れた灯油の重さは 約16kg であるのに対し
と 海水では20.5kg(比重1.025の場合)。
約 4kgもの差が出てしまう。
話はだいぶ それてしまったが、 海水の比重の測り方法は これまで話してきた、””比べる重さ””以外にもある。
それが 塩分濃度屈折計である。
これ↓は光を利用した方法で、測りたい飼育水を 2滴 、たったの2滴 たらす。↓

そして明るい所へ向かって望遠鏡のように覗くと、青と 白の境界線が表れる。↓の写真
その左側の値を読み取ると、1.026。 この飼育水の比重は1.026
であることがわかる。
もし水を2滴いれて 測ると 最も下の1.000を示す。

その水に含まれる塩分濃度によって、光の屈折する角度が異なる。
その自然の法則を利用した 新しい比重を測るための 塩分濃度屈折計である。
以前に 比べて お値段も安くなり しかも、正確。
塩分濃度屈折計は、狂ってきても、補正する事ができるからだ。
まずは 狂っていないかをチェック。
真水を測ってみる。 1.000を示せば 狂い無し。 もし狂っていれば、1.000を示すように 付属のマイナスドライバーで補正が出来る。

この↑ タイプは 安く 簡単でいいのだけれど、補正が出来ない。
いや それ以前に 、狂っているのか いないかをチェックすることが できない。
真水を入れたらここを示す・・・・という所が無いからだ。
この上記のタイプの比重計が不正確 と言っているのではありませんよ。 新しいうちは正確なんだ。
しかし、比重を測った後 洗わずに置いておいたり、 購入してから 1年以上も使っていると、狂ってくる??????ものなんだそうです。
メーカ曰く ”半年に一度は 新しいものと交換してください” との事。
一般的に 古くなった比重計は 本来の比重より、薄く表示してしまう傾向がある。

例えば、 上記のタイプの比重計で測ると 1.025と表示される比重が、
塩分濃度屈折計で測ると、1.032あった ケースが多々あるんだ。
これは びっくりだよね・・・・ お客さんも・・・・
だから 調子が悪いんだ。 お魚が死んだんだ てなことに気が付く。
塩分濃度の調整は 基本中の基本なので 月に2~3度はチェックしようね。
ちなみに 塩分濃度屈折計 の寿命は ほとんどありません。叩き落して 破損させない限り 数十年は 平気で使えます。
くまぱぱでした