先日の アクリル水槽と ガラス水槽 どちらがいいの? の続き
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次に 強度はどうだろう。
あるサイトにこう書いてあった・・・・・。
「一般的なアクリル板の強度は 一般的なガラス板の十数倍ある。」

やっぱり アクリルのほうが 強度がある・・・・つまり  耐久性もある という事になろうか?

「でも ちょっと待って? アクリル水槽の方が 傷がつきやすいんでしょ? なんで 強度があるの?」

と思った方。 そう思うのも そのはず・・・・・・

”強度””  と言い放つところに 誤解が生じてしまう あるサイトの 表現だった。 

実は 強度といっても、色んな強度がある。

たとえば 
①■そのものの硬さ、
②■衝撃にたいする硬さ(抵抗力)
■紫外線等 
自然風化にたいする抵抗力
■薬品にたいする抵抗力

先ほどの”強度””を 我々が      ①■そのものの硬さ、
②■衝撃にたいする硬さ
(抵抗力)を ゴチャマゼに考えてしまうところに問題がある。

 
では①と②を掘り下げてみよう。

 ものの硬さと 衝撃による抵抗力は まったく 別物であることをご存じであろうか?
 物質の硬さを表すものに モース硬度 というのがある。
一般的に 岩石やから 宝石まで 鉱物の硬さを 1~10にわけで表現した尺度である。
もっともやわらかい滑石を1とし・・・・・ ご存じのように 硬いダイヤモンド・・・・・この地球に天然で存在するもので 最も硬いとされるダイヤモンドを 10とした 硬さの尺度計である。
ちなみに、ガラスは5  鉄は4    純金は それよりもやわらかい 2.5 

しかし 金槌(かなづち)で たたくと・・・・・・・ ガラスは割れるし ダイヤモンドは粉々になってしまうのに対し、 鉄や 純金は へこむ 又は 変形する にとどまる。
 この衝撃にたいする抵抗力は 靱性(じんせい)と表現されている。
この靱性が高いというのは 物質と 物質をつなぎとめる強さがある・・・・という事になり、 言い方を変えると 粘度が高い として表現されることもある。 確かに 硬化する前の 粘土は 金槌(かなづち)で たたいても 割れないもんね。
この靱性にすぐれているのが アクリル板なのである。

水槽近くで、 仮に・・・・・ そんな事はしないと 思うけど、 仮に 水槽近くで、ゴルフの素振りをしていたとしよう。
誤って こつん  と 水槽面にゴルフクラブを ぶつけてしまった。

ガラスなら ヒビがはいり、  飼育水の水圧で さらにひびが広がり 水槽壁が崩壊 部屋は大洪水 するくらいの 衝撃であっても、、、、
アクリル水槽なら アクリル板に 傷がつく ことで 事は終息する。アクリル板はやわらかいからだ。

 仮に アクリル水槽に ひびが入るほどの 衝撃だったとしても 飼育水の水圧で 水槽壁のヒビが さらにひろがる事はない。、 アクリル同志 つなぎとめる力強さで ぽたぽた 漏水するぐらいでおさまってしまう。
これが安全であり 住まいに対する 保険のようなものとも言える。

もちろん・ 水槽近くて ゴルフの素振りをする人はいないと思うけれど・・・・
ただ、 もう一歩踏み込んで考えてほしい。
水槽に与えてしまう 衝撃とは・・・なにも 人為的なものだけではない・・・・・・という事実を・・・・・・・・。
もっとも怖いのが 地震であろう。横揺れの際、一時的ではあるが、 右側だけに・・・・あるいは 左側だけに・・・・・・水圧が繰り返しかかる・・・現象が起きる。 これで 水槽が裂けた例もあった。
また 縦揺れ地震の場合 ほとんどの ガラス水槽は 崩壊するのに対し、アクリル水槽は 台からずれるにとどまる。

その現象が確認されたのが、
1994年12月28日に日本の三陸沖で発生したM7.6の地震(三陸はるか沖地震) である。その時 青森県で 営業していた熱帯魚ショップの証言である。
「すべてのガラス水槽が 割れてしまったが、 アクリル水槽は 1本も 割れずに済んだ。 台から ずれただけだった」 
下から突き上げられる地震の場合 上下運動の地震は、 一瞬 台と水槽底板が 離れてしまうほどの 揺れを生ずる。
そして 再び 水槽が 台に戻った瞬間 破損してしまったのである。

それから そのショップは すべてを アクリル水槽に変更したそうだ。
 
さてさて・・・・・
今回は 単純に アクリル板 と ガラス板の強度についての話であった。
次に 紹介するのは アクリル水槽と ガラス水槽の 作り 形状についてのお話だ。
 具体的にいうと・・・・フランジ・・・・・について・・・・・である。
フランジとは何か? フランジはなんのためにあるの? などなど
 じゃあ またね。