質問 海藻を飼いたいのですが、なんどやっても上手く生きません。なにか問題はありますか?
ちなみに 蛍光灯は60センチ水槽で20ワットが2本です。そのうち1本はブルーライトです。
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回答
さて 御質問の件ですが、
ブルーライトと海藻は余り相性が良くありません。といいますのも、海藻は光合成をして生きています。暗いより 明るい水槽が適している事は言うまでも無いでしょう。
ブルーライトは ”水深10メートルの色合いを再現” てな事が良くうたわれていますが、水深10メートルと 水深1メートルとでは どちらが明るいでしょうか?
わざわざ暗い色合いを再現しているわけです。ブルーライトのほうが、お魚は美しく見えますが、 海藻には 照度不足であると 言わざる負えません。
ブルーライトをやめて、植物育成ようランプをつければ、OKですよ。
LEDであれば ピンク系のLEDが最高です。弊店では、ピンク系LEDで ミドリイシまで育てています。しかしながら、メーカーの規格がかわり ピンク単色(他の色の単色も)での製造が中止され、在庫あるのみになっています。在庫はこちら
新し規格では パーフェクトクリアーというLEDに 赤系が含まれています。見た目は白色のパーフェクトクリアーですが、4種類の色を組み込んだ 新しいタイプのLEDです。これなら 海藻も十分育ちます。
LED照明で気をつけたいのが、単色の白です。
蛍光灯の白(植物育成用)やメタルハライドランプの白には 赤が含まれているため サンゴやイソギンチャク 海藻飼育には適していますが、 LEDの白単色では、 赤系があまり含まれていないからです。
皆様もご存じの 野菜工場。 そう 畑ではなく 室内で育てる野菜です。 野菜工場で使われているLED照明は・・・・ ピンクや赤です。
一言でまとめると・・・・・・光合成に必要な波長は 赤系です。
光合成UPはお使いでしょうか?
もう一つ 海藻が育つ条件があります。それは鉄分です。弊店オリジナルとして発売されている 光合成UP という商品が大好評です。この光合成UPを添加していただくと サンゴ イソギンチャク 海藻などに 絶大な効果が現れます。
なぜなら、光合成というシステムに必須なのは、 二酸化炭素 水 そして 光である と 我々は習いましたが、 ほんの数年前、光合成には Fe つまり鉄も必要である という事が、要約わかってきました。
皆様は 海の砂漠という話をご存知でしょうか?
海の中に 魚介類はおろか 海藻も 全く生えていない いわゆる 何にもいないエリアが 有ります。 そして そのエリアは なんと海の92パーセントを占めているのです。
もっと 詳しく知りたい方は 下記をご覧ください。
海藻には 鉄分を供給することで 簡単に増えるようになるでしょう。
————– 鉄の豆知識————–
”海の砂漠” という言葉を ご存知でしょうか?
海の中に 砂漠地帯があるというのです。、 魚も海藻もプランクトンも全くといっていいほど、ほとんどいない静かな海域です。
クジラはこの”海の砂漠” まで来て出産します。 なぜなら このような場所は、いわゆる”海の砂漠”ですから、プランクトンがいない 魚がいない。 という事は、サメなどの 天敵もいないという事です。安心して 出産 や 子育て(5ヶ月間)が出来るというものです。
しかし、お母さんクジラにとっては、別の意味で、過酷です。プランクトン食であるお母さんクジラは 絶食の期間だからです。
5ヶ月間 自分は何も食べずに 子クジラには 乳を与えなければなりません。このようにして、子クジラが一人前に泳げるようになるまで、お母さんクジラは 頑張るのです。
話しは戻りまして、 ”海の砂漠” とは どのあたりの海域を指すのでしょうか?
驚いたことに 海の大部分 (海全体の92パーセント) は ”海の砂漠”なのです。魚も プランクトンもいない 閑散とした場所なのです。なぜ、海の大部分は ”海の砂漠”なのでしょうか?
それは、海水中の鉄濃度と関係があることが ようやく 分かってきました。”海の砂漠”と呼ばれる海域には、ほとんど鉄分がありません。
本来は 太古の海に豊富にあった鉄・・・・・・、35億年という海の歴史の中で、植物プランクトンや海藻の光合成によって使われてしまい大部分の海では 鉄不足状態に陥っています。
唯一 の 鉄の供給源は、河川です。
鉄は大地には沢山あります。その鉄は、落ち葉などの腐葉土中の嫌気環境で、鉄イオンに還元され、雨水によって海に供給されます。そのため、沿岸区域では、植物プランクトンが発生し、続いて 動物プランクトン、小魚 大魚達が集まる生態系が 初めて出来るのです。
しかし、その供給された鉄は、沿岸区域で使われてしまい 広い海まで達しません。
沿岸区域や 島々の周囲が、我々が 知っている 魚が群泳している海、サンゴ礁の色鮮やかな海であり、これらの海は、海全体の8パーセントに過ぎません。
陸地に住む我々は この8パーセントの海に囲まれて生きている幸せ者であるといえます。
このお話から、鉄が無ければ、植物が育たないどころか、生態系が始まらないことがお分かり頂きたでしょうか。鉄こそが 生態系の根源であるともいえます。
皆さんの水槽のほとんどが、鉄不足である ことは間違いありません。
弊店のショップの水槽には どれくらいの鉄が含まれているかを 以前 調べてみた事がありました。
検査した結果 水槽(5から6本)の全てで 鉄分がゼロでした。当店は合計30本近い水槽がありますが、同じシステム、同じ水槽管理を行っているため、残りの水槽もおそらく鉄分がゼロであると推測でき、残りの水槽を計るのをやめたぐらいです。
しかしながら、当店の水槽で使用している国産人工海水を 溶いたばかりの状態では1ppmの鉄分が検出されました。
人工海水を溶いたばかりの状態では鉄分が検出できる、、、
水槽では 鉄分が検出されない、、、、、
つまり 消費されている証拠です。
そこで、1ppmの鉄分が どれくらいの期間で減っていくかを調べてみました。 なんと驚くことに、日を追うごとに鉄濃度はさがり、3日目には何とか確認できた鉄分が、4日目には完全に消失していました。
海水成分の代表である塩分のように だれも吸収しない成分は蒸発により 時間とともに濃くなっていく一方、 4日と存在が長続きしない 微量成分もある事に 当時初めて気が付きました。
鉄分が加わると サンゴ達のポリプは満開に、、イソギンチャクたちも良く開き、海藻の葉から ぷつぷつと酸素が発生する事が 確認できます。鉄分が加わることで、必然的に 水槽内の溶存酸素も豊かになります。
早く皆様の水槽も 鉄分(商品名:光合成UP)を添加し ”海の砂漠”から 脱出してください。